e do design > Works > architecture > ” 学びの森わかば園 ” 多目的ホール棟

contact

” 学びの森わかば園 ” 多目的ホール棟

日立市にある認定こども園「学びの森わかば園」さんの

子育て支援室兼多目的ホール棟です。

 

平成30年4月に完成した新園舎の、

敷地後方に広がる緑豊かな森のような環境の中に、

子育て支援事業の場として、

また書道や絵画、陶芸や工作などの創作活動を行う場として、

別棟として建築しました。

木の香りが漂う園舎、緑豊かな自然に囲まれた外部環境での活動は

こどもたちの感性を刺激し将来への土台を育む、

という園の理念を実現させています。

 

主な教室は3室あり、3室をそれぞれ仕切って利用することもあれば、

2室1室、3室1室と、可動間仕切りの開閉で、空間を一体利用することが可能で、

在園児の保護者を招いての行事、また子育て支援事業の一環としての講演会等にとどまらず、

地域の方を招いてのイベントなども想定した

フレキシブルで地域に開いた施設となることを目指しています。

 

建築は方形のシンプルなプランで、

周囲に1.5Mほど軒がのびています。

深い軒下空間に県産材ひのきのデッキスペースが広がり、

大きな掃出し窓を通じてこどもたちが自由に内外を行き来出来るようにと、

恵まれた外部環境とのつながりや一体感を重視しています。

暗くなりがちな建物中央部は、吹き抜け空間になっており、

樹木型の大黒柱が2層の屋根を支えています。

 

この吹き抜け上部の開口部から、木洩れ日のような自然光が届きます。

季節や一日を通じて光の陰影が移り変わる様子も、こどもにとって学びとなる面白い仕掛けです。

 

本施設は、構造材に茨城県産材を100%使用し、

県の木づかいチャレンジ事業を活用しました。

 

樹木の形に見立てたシンボリックな大黒柱、

構造あらわしの天井面により、

建物に入ると一見で、ダイナミックな木部の広がりを感じることが出来ます。

 

樹木型の大黒柱は、

構造自体がデザインとなっており、

木造架構の美しさと面白さを、こどもにも大人にもより印象的に伝えてくれるでしょう。

 

自分たちが暮らす地域の木が、

こうして形を変えて建築に生まれ変わっている、というストーリーは

こどもたちの記憶に残るのではないでしょうか。

 

 

所在地: 茨城県日立市
竣工: 2022年5月
建築面積: 188.79㎡(57.0坪)
延床面積: 162.30㎡(49.0坪)
用途地域: 市街化調整区域 指定なし
構造: 木造在来
規模: 平屋建て
用途: 認定こども園(子育て支援室)
共同設計: 根本建築設計事務所(申請業務・工事監理)
共同設計: e do design 一級建築士事務所(基本設計・実施設計)
共同設計: ICA建築設計事務所(実施設計の一部)
構造設計: 谷亮介構造設計室
施工: 株式会社大貫工務店
ページトップへ